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一級葬祭ディレクター 阿部薫

一級葬祭ディレクター 阿部薫

どのようなきっかけでこの仕事につきましたか?

よくある話ですが私は父の葬儀がきっかけでした。父は赴任先が大阪でしたので、相談できる知人もいない中、大阪で葬儀をすることになりました。私自身、喪主になることも初めてで、何をしたら良いかも全くわからず頼りになるのは葬儀の担当者の方だけでした。葬儀前の手続き、葬儀後の手続きなど細かく教えていただき、スムーズに全て終え名古屋へ戻りました。父の忌明け法要を行って一区切りついた時に、ここまでスムーズに来られたのはそのときの担当者の方が親切に教えていただいたおかげだと改めて心から感謝しました。その時に、“これから機会があれば、お葬儀の仕事もいいかもしれない”と思うようになったのがきっかけでした。今では葬儀担当者としてあの時体験したことを思い返し、ご遺族様が少しでも安心して大切な方をお送りいただける様にお手伝いさせていただいております。

担当者として辛いことは?

たくさんあり、事例に困りますが、小学生のお子様のご葬儀を担当させていただいた事がありました。やはり小さなお子様のご葬儀は辛いですね・・・私の持っている全ての“ひきだし”(知識)を使ってお手伝いをさせていただきました。ご遺族、ご親族、お友達や学校関係者様のお悲しみは今でも忘れられません。

葬儀当日、式前に同級生がお別れの言葉を奉読し、一人ずつお顔を見てお別れをしていただけたこと
ご両親が同級生に一人一人手渡しで文房具を渡し「娘の分まで勉強やスポーツ、遊びに一生懸命がんばってください。」と挨拶していただけたこと
火葬場へ向かう前に通われていた小学校の前を霊柩車で通っていただけたこと

が強く記憶に残っていますね・・・そして最後に涙を浮かべ、ご家族様から「本当に娘とのいいお別れができました。ありがとうございました。」
とお言葉をいただきました。そのようなお言葉をいただき、“いくら辛く悲しくても個人的感情はグッと堪え、式を執り行うことが葬儀担当者としての使命だ”という事をあらためて強く心に感じたお葬儀でした。

縁誌をご覧になっている方にメッセージをお願いします。

私が今の仕事を通して思う事は、“人が死を迎えることは一度きりしかない”と言うことです。故人様が生きてきた人生の締めくくりとして行う最後のセレモニーがお葬式です。故人様とのお別れを、どんな形であっても後になって悔いが残る送り方だけはしてほしくないと思っております。そのために私たちは裏方として、いざという時はご遺族様の手足になり、式が滞りなく終えられるように最善を尽くす事が私たちの役目だと思います。故人様を想うご遺族様の気持ちに寄り添わせていただき、ご遺族様の想いが込もったお葬式を精一杯お手伝いさせていただきます。ご不安なこと、お知りになりたいことはいつでもご相談ください。